賃貸保証(家賃保証)サービスとは? 利用する上でのメリット・デメリット
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今回のトピックスでは賃貸保証(家賃保証)について解説いたします。
- 賃貸保証(家賃保証)サービスとは
入居者が家賃を滞納した際、入居者の家賃を大家さんに賃貸(家賃)保証会社が保証することです。
従来、賃貸住宅を借りる際に連帯保証人を立てることで万一の家賃滞納に備えることが一般的でしたが、近年の賃貸市場では、連帯保証人の代わりに賃貸(家賃)保証サービスを利用する割合が年々増加しています。
また賃貸(家賃)保証会社の利用を必須条件としている物件が増えてきています。
賃貸(家賃)保証会社は、賃貸住宅の契約時に必要な賃借人の連帯保証人を代行する会社で、賃借人が家賃滞納などの家賃債務の債務不履行をした場合、賃借人に変わって賃貸(家賃)保証会社が家賃を立て替えて払ってもらえるため、大家さんは安心なのです。
2.賃貸保証会社の仕組み
賃貸(家賃)保証会社を利用する賃貸借契約の場合、家賃に応じた保証料(保証委託料)を入居者が支払わなければなりません。
家賃保証料は、初年度で家賃の0.5~1カ月分が近年の目安です。
2年目以降は、年1~2万円の保証料が発生したり、更新料が発生します。
ただし、保証料(保証委託料)や支払う頻度は、賃貸(家賃)保証会社によって異なります。
入居者から家賃を回収できなくても、賃貸(家賃)保証会社から支払いを受けられるため、大家さんにとってはメリットが大きいと言えます。
では、実際に賃貸(家賃)保証会社を利用することによって、入居者はどのようなメリットが得られるのでしょうか。また、デメリットや利用する際の注意点も知っておきましょう。
3.家賃保証会社を利用するメリット・デメリット
家賃保証会社を利用するのメリット
・保証人を頼める人がいなくても、保証料さえ払えば保証人の代わりになってくれる。
・連帯保証人の署名押印がいらないため契約手続きがスムーズ。
・万が一、家賃を滞納してしまっても、家族等に迷惑が掛からない。
・仮に借主の収入が十分に高くなくても保証会社の審査に通れば、部屋を借りられる
可能性がある。
家賃保証会社を利用する際のデメリット
・賃貸契約時に保証料を払わなければならないので、初期費用が増えてしまう。
・契約更新時に更新料の支払いも必要なので、入居者の金銭的負担が増えてしまう。
4.連帯保証人を立てる場合のメリット・デメリット
続いて従来の連帯保証人を立てる場合のメリット・デメリットも整理しておきましょう。
連帯保証人を立てる場合のメリット
・家賃保証会社のサービスを受けないため、借主の金銭的負担が発生しない。
・仮に借主の収入が十分に高くなくても連帯保証人の社会的信用が高ければ、部屋を借りられる可能性がある。
連帯保証人を立てる場合のデメリット
・重い責任を負うため、引き受けてくれる人が限られる。
・万が一、借主が家賃を滞納してしまうと、連帯保証人に多大な迷惑がかかる。
・借主と連帯保証人の両方が審査に通らなければ部屋を借りられない。
・契約手続きに連帯保証人の提出資料が多く手間がかかる。
5.家賃保証会社の種類
では、実際にどのような家賃保証会社があるのか。
・信販系
信販系とは、クレジットカードの発行事業をはじめとした信用取引を行っている会社のこと。審査時には、クレジットカードの利用歴を含む信用情報を照会し、延滞歴や債務整理、自己破産の有無を調べます。この信用情報は他社で発生したものも含まれるため、過去5年から10年の間に何かしらの金融事故が発生している場合は、注意が必要です。
・協会系
協会系とは、LICCとも呼ばれる「全国賃貸保証業協会」に加盟している保証会社を指します。同協会に加盟している保証会社を利用した人の履歴がデータベースで共有されており、それを照会しながら審査をします。
・独立系
独立系とは、信販系や協会系のように過去の延滞歴や事故歴を照会せず、独自の審査基準で審査をする保証会社のことです。おもに、申込み時の提出書類に記載された内容をもとに審査を行います。
6.保証料はいくら
保証会社に加入する場合は、保証料がかかります。料金は保証会社によってさまざまですが下記のような料金体系としている会社がほとんどです。
《保証会社の料金体系》
・(初回保証料・更新保証料)の場合
初回保証料=賃料合計額の30%~50% 更新保証料=10,000円~20,000円
・(初回保証料と月額保証料)の場合
初回保証料=賃料合計額の30%~50% 月額保証料=1%~3%
・(初回保証料のみ)の場合
初回保証料=賃料合計額の80%~100%
・(月額保証料のみ)の場合
月額保証料=1%~3%
・(月額保証料と更新保証料)の場合
月額保証料=1%~3% 更新保証料=10,000円~20,000円
「初回保証料+月額or更新保証料」としている保証会社が多いようです。この他にも「連帯保証人を付けると」保証料が安くなる会社もあります。この保証料については保証会社によって異なりますので物件を申込んだ際には必ず確認しましょう
7.家賃を滞納するとどうなる
保証会社は借主がやむを得ない事情で家賃等を支払えないとき、一時的に立て替えてくれるだけで、つまり借金です。保証会社に肩代わりしてもらうと後日、請求書が送られてくるので、その費用を速やかに支払わなければなりません。
もしも請求を無視した場合、相手事業者から再度、催促の通知がある。滞納から時間が経つと元本だけでなく利息も発生するので注意が必要です。
それでも通知を無視すると、訴訟を起こされ、最悪の場合は銀行口座を差し押さえられたり、強制退去させられたりします。
賃貸(家賃)保証会社はあくまで不測の事態が起きたときの保険と考え、もしも家賃を支払えないことが分かったら、その時点で大家さんや不動産業者に相談しよう。
8.まとめ
大家さんに対して入居者の家賃の支払いを保証する、賃貸(家賃)保証会社。連帯保証人に代わるものとして、その利用者や利用を入居の必須条件とする賃貸物件が増えてきています。その利用には一定の費用がかかりますが、会社によっては審査で過去の滞納歴が問われない場合もあるなど、部屋を借りるハードルが下がるというメリットもあります。
大家さんのみならず、入居者にも利用のメリットがある家賃保証会社ですが、滞納には注意が必要です。契約解除になったり、次のお部屋探しがしにくくなったりしないよう、家賃は余裕をもって支払えるようにしましょう。