不動産トピックス

「無料インターネット導入」で入居率アップ!メリット・デメリット

不動産仲介

不動産購入

近年、無料インターネット付きの物件が人気であることから、インターネットを導入することで、『入居率アップを目指したい』『入居者の満足度を高めて退去を減らしたい』と考える賃貸オーナーが増えています。

この記事では、空室対策に無料インターネットの導入をおすすめする理由と、導入のメリット・デメリット、費用相場、注意点などを解説していきます。

空室対策を成功させる際の参考に役立ててください。

感染症の流行をきっかけとしたリモートワークによるZoomの利用増加や、テレビよりもNetflixやYoutubeなどの動画を視聴するという人の増加で、自宅に快適なインターネット環境を求める人が増えています。そのため、インターネット無料の物件は入居者からのニーズが非常に高くなっています。

「無料インターネット導入」のメリット

1.空室対策につながる

今はスマートフォンがあれば、ほとんどの情報は検索できる時代です。公共施設やホテル、飲食店などでも、無料で利用できるWi-Fi設備を整えているところが一般的になっています。

総務省が調査したインターネット利用率の推移グラフを見ると、令和3年時点のインターネット利用者の割合は 全体で82.9%となっていることがわかります。

インターネットの利用状況(個人)の推移

(※)引用元:総務省令和3年通信利用動向調査の結果

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf

また、年齢階層別インターネット利用状況の推移グラフでは13~59 歳の年齢層で9割を超えていました。

このことから、これほど幅広い年齢層で普及している状況を考えると、インターネット環境は今や電気・ガス・水道と同様に生活には欠かせないライフラインと考えることができます。

年齢階層別インターネット利用状況の推移

(※)引用元:総務省令和3年通信利用動向調査の結果

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf

もしも自分の所有する物件にインターネット環境を整えていないのなら、無料インターネットを導入することで入居率の大幅な改善が期待できるかもしれません。

ただ、注意したいのは、単に無料でインターネットができるだけでは入居率のアップは難しいということです。快適なインターネット環境を求めている人は、動画を快適に見ることができる「インターネットスピード」も求めており、この「インターネットスピード」が入居率アップ、競合物件との差別化の重要なポイントとなっているからです。

ネット回線が遅いことでクレームに発展することもありますので、初期コストが多少かかってもインターネットが速い回線の導入をお薦めします。SUUMOやHOME’Sなどの物件検索サイトで人気があるのは、1Gbps以上の高速インターネット設備です。

回線速度の目安として、

 ◆回線が1Gbps=速い回線設備があるので速度に期待できる

 ◆回線が200Mbps以下=速度に期待してはいけない

となっています。

J:COMのようなCATV(ケーブルテレビ)は、ネット回線、電話サービス、地デジ、CS、BSなどが全てセットで利用できるメリットがあるため、多くのマンションに導入されています。

マンションのオーナーからすると、ネット回線や電話、地デジが一度の工事で全て取り付けられ、請求も一括でできるため便利です。

しかし、CATV(ケーブルテレビ回線)なので下り最大でも320Mbpsと光回線の3分の1程度の速度しかないため遅いと感じる方が多いのが実情です。

2.賃料アップが期待できる

全国賃貸住宅新聞が調査した「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」ランキングでは、単身者向け・ファミリー向け共に「インターネット無料」が7年連続で堂々の1位(※)となりました。

(※)引用元:全国賃貸住宅新聞 https://www.zenchin.com/news/content-639.php

複雑なインターネット事業者との手続きが不要で、入居と同時に手軽にインターネット利用を開始できる物件は多少賃料が高くなっても、入居者として魅力的なサービスです。

入居者が個人で導入する際の費用は、オーナーが一律にインターネットを導入した場合の費用に比べて割高になることが多く、同じ条件の物件であってもインターネット環境が整っていない部屋のほうが、結果的に入居者が支払う金額としては割高になるといえます。

このことを踏まえると、インターネットを無料で提供するという付加価値の分、賃料を上乗せしても十分に需要はあると考えられます。

3. 物件検索サイトでヒットしやすくなる

SUUMOやHOME’Sなどの物件検索サイトでは、サイト閲覧者が物件の検索条件を絞り込むことができます。その条件のうちのひとつである「インターネット無料」を条件として検索するユーザーが増えています。

つまり、物件に無料のインターネットを完備しておくことで、インターネット未導入の多くの競合物件に対して差別化を図ることができ、より多くの人の目に留まる可能性が広がるのです。

「無料インターネット導入」のデメリット

1.費用対効果を考える必要がある

インターネットの導入には初期費用やランニングコストが発生しますので、ターゲット層に需要はあるのか、賃料アップは見込めるのかを見極めてから導入する必要があります。

物件の立地条件や間取りなどによって、ターゲットとなる入居者には特徴があるはずです。

高齢者が多い場合には、インターネット導入の効果はあまり期待できないかもしれません。また、サラリーマンの場合は会社でインターネットを利用できれば十分というケースもあり、そこまでインターネット環境を必要としていないケースもあるでしょう。

入居者のターゲット層を見極めて、インターネット導入の費用対効果を考えることが大事です。

部屋数や立地条件、構造などによって異なりますが、アパート、マンションへのインターネット導入費用は10万円~50万円程度。月額のランニングコストは1万円~3万円程度が相場になります。

参考として、東京都品川区の木造2階建て 総戸数10戸の1Rにインターネット導入をした場合にかかる費用は次の通りです。

NTT東日本[フレッツ 光ネクスト マンション 全戸加入プラン]

 ・初期費用 162,000円

 ・月額費用 29,700円

 ・回線速度 1Gbps

 ・回線方式 有線LAN(専有)

各部屋の入居者は一人で1Gbpsを専有できるため、速度も早く、品質も良いです。

サポート体制は365日24時間の安心のNTT品質です。

初期費用は他社と比べ高くはありませんが、月額費用が他と比べてかなり高いのが悩みどころです。

アパート向けインターネット無料専門会社

 ・初期費用 400,000円

 ・月額費用 11,000円

 ・回線速度 1Gbps

 ・回線方式 有線LAN(共有)

NTT東日本と違って、一本の光ファイバーをアパート・マンションの全戸数で共有する方式です。

それでは速度に不満がでるのでは・・・と不安に思われるかもしれませんが、

Youtube等の最高画質を閲覧するのに必要な回線速度が3Mbpsと言われています。

そのため、理論上は1Gbpsあれば約300人まで同時に共用しても問題なく視聴できることになります。

つまり全く問題ないと言えるのです。

アパート向けインターネット無料専門会社は費用が低いことがメリットですが、NTT東日本に比べると会社自身の安定度・信頼性が劣ります。半永久的に利用するものですから、途中で提供会社が倒産してしまっては困ります。その会社が本当に信頼できる会社なのかを確かめることが何より大事だといえます。

2. 建物構造によっては大きな工事が必要になる

前述したのは木造アパート2階建てに導入した場合の費用でした。

鉄筋コンクリート造なのか、木造なのか、構造や規模などによって導入可能な方法・かかる費用は異なります。

例えば、外壁のタイルや配管など建物の構造上、工事ができなかったり、多くの費用や時間がかかってしまったりする可能性があります。

導入方法によっては大きな工事が必要となりますので、複数の会社に見積もりを依頼して比較してから判断することをおすすめします。

3.解約時に違約金が発生する場合がある

契約で気を付けたいのが解約時の違約金です。

「入居率改善を期待してインターネットを導入したものの、期待したような効果は得られなかった」という場合、インターネット回線の契約を続けてもランニングコストがかかるために、契約解除を検討することになるでしょう。しかし、インターネット契約に利用期限が設けられている場合には、解約時に違約金が発生するケースもあるのです。契約の際には、初期費用、月々の費用、解約の費用の3つは必ず確認してください。

今回は、空室対策に無料インターネットの導入をおすすめする理由をもとに、導入のメリット・デメリットや費用を解説していきました。

無料インターネットは、人気設備ランキング1位であり、入居者にとってメリットが大きいことからも、空室対策に効果的といえます。

一方で、インターネット導入にはコストがかかったり、導入の仕方によっては入居者からのクレームにつながったりするリスクもあることから、慎重に判断することも重要です。

業者の選択はもちろん、それ以外にも「各部屋までインターネット回線を引く設置方法」にするのか、「共用部にWi-Fiルーターを設置して各部屋へWi-Fi電波を飛ばす方法」にするのか等、検討するべきことはたくさんあります。

事前に、所有する物件毎にしっかりと調査を行い、「インターネット無料」が入居率アップ・収益アップにつながるベストな選択をしていきましょう。

お問い合わせフォームはこちら
Tel. 03-6450-2408Fax. 03-6450-2409

営業時間 10:00~19:00水曜日定休
株式会社 西家
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-3-16 CATビル3F