不動産用語解説

設計住宅性能評価書

登録住宅性能評価機関が設計図等にもとづいて作成した住宅性能評価書を「設計住宅性能評価書」という(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第6条、同法施行規則第3条)。

住宅品質確保法では、設計住宅性能評価書を交付された新築住宅については、設計住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま請負契約や売買契約の契約内容になる場合があると規定しており、この規定により注文者保護・買主保護が図られている(詳しくは「住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係」へ)。

このような設計住宅性能評価書が作成される手順はおよそ次のとおりである。

1.作成の依頼
新築住宅の請負人または注文者(もしくは新築住宅を売却する売主または買主)が、登録住宅性能評価機関に対して、設計住宅性能評価書の作成を依頼する(同法施行規則第3条)。
この評価書作成の費用は10万円から30万円程度といわれているが、その費用は請負人または注文者(もしくは売主または買主)が負担することになる。
なお既存住宅(建設工事完了後1年以上が経過した住宅や、建設工事完了後1年以内に人が住んだことがある住宅のこと)については、設計住宅性能評価書の作成を依頼することができない。

2.必要な書類の提出
依頼者は、登録住宅性能評価機関に対して、設計住宅性能評価書を作成するために必要な関係書類を提出する。
この依頼者が提出すべき書類は、配置図・仕様書・各階平面図など非常に多岐にわたる(提出書類は国土交通省告示「設計住宅性能評価のために必要な図書を定める件」により定められている)。

3.設計住宅性能評価書の作成
登録住宅性能評価機関は提出された多数の書類にもとづき、国土交通大臣が定めた基準に準拠して、新築住宅の性能を評価し、設計住宅性能評価書を作成する(このとき評価する項目の詳細は「日本住宅性能表示基準」へ)。

このように設計住宅性能評価書は、あくまで設計図等の書面のみにもとづく評価結果であり、現地で住宅を検査した結果にもとづく評価ではない。
そのため、請負人・注文者(もしくは売主・買主)が、検査結果にもとづく住宅性能評価書の作成を希望する場合には、登録住宅性能評価機関に対して建設住宅性能評価書の作成を別途依頼する必要がある(同法施行規則第5条)。

このようにして、依頼者の費用負担で作成された設計住宅性能評価書を、実際に請負契約書・売買契約書に添付等するかどうかは請負人・売主の自由に委ねられている(同法第6条)。

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