不動産用語解説
非財務情報の開示
企業価値を把握するために、財務情報以外の情報を開示すること。
従来、企業価値は財務情報に基づいて把握されてきたが、近年、企業活動による環境や社会への影響について関心が高まっている。それらの影響のあり方が、企業価値を評価する要素となってきたからである。非財務情報とは、そのような影響に関する情報で、財務情報のように定型化されているわけではない。
非財務情報への関心は、投資家だけでなく、取引先や消費者などにおいても高まっている。特に、企業活動が環境や社会に与える影響を、企業の持続性(サステイナビリティ)の視点から評価できる情報が求められている。そこで、その関心に応えるべく、国際的に共通の形式で非財務情報を開示するための取り組みが進んでいる。
例えば、企業報告の国際的な標準化を進めている5団体(CDP・CDSB・GRI・IIRC・SASB)は、開示する非財務情報を(1)企業が環境、人、経済に対して大きく影響を及ぼす事項等を表明する「サステナビリティ報告」、(2)サステナビリティに関する課題が企業価値の創出や棄損にどのようにつながるかを説明する「サステナビリティ関連財務情報の報告」、(3)財務数値に直接関連するサステナビリティ課題を説明する「財務会計とその報告」に分類し、それらを包括する報告フレームが必要であるとしている。
非財務情報には、不動産の利用などが環境や社会に与える影響の説明も含まれる。開示される非財務情報は、不動産開発、不動産投資等に当たって、不動産を財産価値以外の視点から評価するためにも活用されることとなる。
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